公開日
2017/02/16
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ざっくりまとめると
性器カンジダ症は薬で治せる!初感染&症状が重い場合は病院へ。
症状が軽ければ自然治癒することも。免疫力を維持して再発を防ぎましょう。
再発したときは市販薬で治療できる!ドラッグストアや通販で購入。

「カンジダを治すにはどうすればいいの?」「薬はどこで買えばいい?自然治癒しないの?」性器カンジダ症にかかってしまい、こんな疑問を抱えている人はいませんか?

性器カンジダ症は薬で治療できます。治療薬は病院で処方してもらうのが基本です。再発した場合は、市販薬で治療できます。また、症状が軽ければ、自然に治癒する場合もあります

この記事では、性器カンジダ症の治療法と、治療に使われる薬の種類や入手法について解説します。

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初感染や重症のときは病院へ

カンジダ症に感染したら病院で医師の診察を受けましょう

性器カンジダ症をはじめて発症したときや、症状が重い場合、自然治癒は難しく、放置していると症状が悪化してしまいます。そのため、必ず病院を受診し、処置を受けましょう。

使われる薬や、薬の使いかたは男女で異なります。病院で処方される性器カンジダ症の治療薬と、その使いかたについてみていきましょう。

女性は膣剤や膣坐剤がメイン

女性の性器カンジダ症は、膣カンジダ症、またはカンジダ膣炎とも呼ばれます。膣カンジダ症の治療は、膣錠膣坐剤(ちつざざい)を使うのが基本です。また、補助として軟膏やクリームも使われます。

膣錠・膣坐剤

膣錠や膣坐剤は、膣の中に入れて使う薬です。膣内を洗浄後、膣の奥に薬を挿入します。6日間に渡って通院する方法と、薬を投与してもらった1週間後に、もう一度病院に行く方法を選ぶことができます。

連日通院して治療する場合

性器カンジダ症は、連日通院が原則です。膣洗浄のあと、薬を膣に挿入します。膣剤、膣坐剤は「イミダゾール系」と呼ばれる種類のものが使われます。以下の表は、性器カンジダ症の治療薬をまとめたものです。

薬剤名 有効成分 使いかた
エンペシド膣錠 100mg クロトリマゾール 1日1錠
フロリード膣坐剤 100mg ミコナゾール硝酸塩 1日1錠
バリナスチン膣錠 100mg イソコナゾール硝酸塩 1日1錠
オキナゾール膣錠 100mg オキシコナゾール硝酸塩 1日1錠

通院期間は6日間が目安です。効果が十分でない場合は、別の治療法が検討されます。

週1回の治療の場合

連日通院が難しい場合、週1回の通院で治療を受けることができます。

週1回の治療の場合、以下の薬が使われます。

薬剤名 有効成分 飲み方
バリナスチン膣錠 300mg イソコナゾール硝酸塩 週に1回2錠
オキナゾール膣錠 600mg オキシコナゾール硝酸塩 週に1回1錠

週1回の治療のメリットは、毎日病院に行かなくていいことです。ただし、連日通院したほうが高い効果を得られます

イミダゾール系の抗菌薬は、成分の血中濃度が維持されることで、殺菌効果を発揮します。いちどに用量の多い薬を使うより、薬を継続的に投与し、体内の成分の濃度を一定に保つほうが、高い殺菌効果を発揮できるのです。

軟膏・クリーム

軟膏やクリームといった塗り薬は、治療の補助として、膣錠や膣坐剤と併用します。性器カンジダ症の塗り薬は、以下のものが挙げられます。

薬剤名 有効成分と容量 使い方
エンペシドクリーム 1% クロトリマゾール 10mg/1g 1日に2回から3回
フロリードDクリーム 1% ミコナゾール硝酸塩 10mg/1g 1日に2回から3回
パラベールクリーム 1% エコナゾール硝酸塩 10mg/1g 1日に2回から3回
オキナゾールクリーム 1% オキシコナゾール硝酸塩 10mg/1g 1日に2回から3回
軟膏やクリームが効果を発揮するのは外陰部のみです。そのため、膣の中の菌は排除できません。治療のメインは膣剤や膣坐剤で、塗り薬は補助として使われます。

男性は軟膏やクリームで治療できる

男性が性器カンジダ症にかかった場合、軟膏やクリームで治療が行われます。使われる薬は女性と同じです。性器を清潔にしたあと、イミダゾール系の軟膏やクリームを患部に塗ります。

男性の場合、カンジダ菌に感染しても、症状がでることはまれです。男性器は体の外にあり、通気性がよいため、女性器に比べて菌が繁殖しにくいのです。そのため、男性の性器カンジダ症は塗り薬を使うだけで治癒します。

症状が軽ければ自然治癒する

軽度のカンジダ症は免疫力を高めることで自然に治癒することがあります

性器カンジダ症は、症状が軽ければ自然に治ります。

性器カンジダ症の兆候に気づいたら、バランスのよい食事や十分な睡眠を心がけましょう。

カンジダ症が起こる原因の多くは、免疫力の低下です。体の免疫力が下がると、菌が体内で繁殖しやすくなり、再発するリスクが高まります。逆に言えば、免疫力が回復すれば、性器カンジダ症は自然に治まるのです。また、体の免疫力が維持されていれば、再発のリスクも下がります。

かゆみが強く出ていたり、排尿障害があったりと、症状が重い場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。

再発したときは市販薬で治せる

性器カンジダ症が再発した場合、ドラッグストアや薬局などで販売されている薬で治療することができます。

以下の表は、性器カンジダ症の市販薬についてまとめたものです。

商品名 製薬会社 有効成分 剤形 特長
メンソレータムフレディCC ロート製薬 イコソナゾール硝酸塩 膣錠・クリーム 膣錠は効果が1日続く。クリームは効果が出るのが早く、かゆみをすばやく鎮める
フェミニーナ膣カンジダ症 小林製薬 オキシコナゾール硝酸塩 膣錠 錠剤が小さく、挿入しやすい
エンペシドL 佐藤製薬 クロトリマゾール 膣錠・クリーム すみやかに崩壊する発泡錠のため、患部のすみずみまで効果が行き渡る。
メディトリート 大正製薬 ミコナゾール硝酸塩 膣坐剤・クリーム 医療用医薬品として使われていた有効成分が配合されている。

値段はおよそ1,000円から3,000円です。購入には、事前にチェックシートの記入が必要です。チェックシートは、上の製薬会社のホームページからダウンロードできます。

市販薬を使って2、3日経っても症状が改善されない場合は、医師に相談しましょう。

市販薬での利用は再発した人だけ!

市販薬で治療できるのは、性器カンジダ症が再発した人に限ります。

なぜなら、今まで性器カンジダ症の治療を受けたことがない人は、症状が本当にカンジダ症なのか、自分で判断することが難しいからです。はじめて性器カンジダ症を発症した人は、病院で処置を受けましょう。

性器カンジダ症の薬は通販でも購入できる

性器カンジダ症の薬は、ドラッグストアだけでなく、個人輸入を請け負っている通販サイトでも購入できます。

通販では、まとめ買いすると薬1箱あたりの値段が安くなり、費用を抑えることができます。

再発に備えて薬を備蓄しておきたいという人や、近所にドラッグストアがない人は、個人輸入を検討してみるとよいでしょう。

カンジダの治療法まとめ

性器カンジダ症の治療法は3つあります。

  1. 病院で処方を受ける
  2. 免疫力を高め自然治癒を待つ
  3. 市販薬を使う

はじめて性器カンジダ症を発症した場合、または症状が重い場合は、必ず病院で処置を受けましょう。女性の場合、膣内を洗浄したあとで膣剤や膣坐剤が使われます。治療期間はおよそ1週間です。男性の場合、軟膏とクリームで治療できます。

症状が軽ければ、自然治癒する場合もあります。食事や睡眠をしっかりとり、免疫力が回復すれば、菌の繁殖が抑えられるのです。また、再発した場合に限り、市販薬で治療できます。市販薬はドラッグストアや薬局の他、個人輸入を扱っている通販サイトでも購入できます。

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