公開日
2016/01/19
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ざっくりまとめると
性器ヘルペスは薬で治療する!飲み薬がメインで塗り薬は再発したときの補助。
治療薬は病院で処方を受けるのが基本。個人輸入を利用すれば費用を抑えられてお得!
薬の用量や服用期間は、症状を抑える場合と再発を予防する場合で異なります。

性器ヘルペスは、いちど発症すると完治できず、たびたび再発します。しかし、治療薬を使うことで症状を抑えられます。また、長期的に薬を飲むことで再発も防げるのです。

治療薬は、症状を抑える場合と、再発を防ぐ場合とで使い方が異なります。

この記事では、性器ヘルペスの治療薬の種類や飲み方、服用期間、費用を紹介します。性器ヘルペスの治療にはどれくらい時間とお金がかかるのか、しっかりと把握しておきましょう。

【関連】バルトレックスは単純ヘルペスの治療と予防に効果を発揮する

性器ヘルペスは薬で治療できる!

性器ヘルペスの治療は飲み薬を用いた薬物治療が主流です。性器ヘルペスの治療薬は、ヘルペスウイルスの増殖を抑える効果があります。症状を抑えるだけでなく、症状が再発する頻度を下げる効果もあるのです。

治療薬は、使い始めるタイミングが早ければ早いほど、症状は軽く済みます。回復も早くなり、治療の期間も短縮されます。

飲み薬は3種類

性器ヘルペスの治療薬には、主に3種類の抗ウイルス薬が使われます。

性器ヘルペスの治療薬(飲み薬)

  1. バラシクロビル(主な商品名:バルトレックス
  2. アシクロビル(主な商品名:ゾビラックス
  3. ファムシクロビル(主な製品:ファムビル)

性器ヘルペスが重症化すると、脳炎や髄膜炎を併発する場合があります。このときは錠剤より効果の高い、注射用のアシクロビルを用います。

再発時の軽い症状なら塗り薬も有効

症状が軽ければ、塗り薬で対処できます。性器ヘルペスの塗り薬は、以下のものが挙げられます。

性器ヘルペスの治療薬(塗り薬)

  1. アラセナA(有効成分:ビダラビン)
  2. ゾビラックス軟膏(有効成分:アシクロビル)

塗り薬が使えるのは性器ヘルペスが再発した場合のみです。また、塗り薬は患部の症状を抑えるだけで、体内のウイルスの増殖を止める効果はありません。そのため、塗り薬は錠剤の補助として使われます。

性器ヘルペスの治療薬は病院か通販サイトで購入!

性器ヘルペスの治療薬は、基本的に病院で処方されます。費用は、処方される薬の量と病院での診察費によって変わります。薬を入手するだけなら、個人輸入を扱っている通販サイトを利用するという方法もあります。

ここでは、性器ヘルペスの治療薬の購入方法とその費用について見ていきましょう。

病院で処方してもらうときの費用は「薬+診察費」

病院で性器ヘルペスの治療薬を処方してもらう場合の費用は、薬の価格と病院の診察費を合わせた金額となります。

薬の値段は薬価と呼ばれ、国によって定められており、どこで処方されても金額は変わりません。性器ヘルペスの治療薬の薬価は以下の通りです。

性器ヘルペスの治療薬の薬価

バルトレックス錠500mg
375.70円
ゾビラックス錠200mg
101.50円
ファムビル錠250mg
394.10円
アラセナAクリーム3%
267.30円
ゾビラックスクリーム5%
280.50円

処方される薬の種類と薬の量は、医師の判断で決まります。また、診察にかかる費用は病院によって前後します。

性器ヘルペスの治療費は3000円が相場

性器ヘルペスの治療費の相場は3,000円とされています。

例えば、新宿駅前クリニックでは、保険適用で、診察代+検査代で1100円前後、薬代が2000円前後と記載されています。つまり、負担額は合計3100円前後です。

また、別の病院、あおぞらクリニックでは、自由診療として、初めての感染した方で2万円、再発時で1万円と記載されています。

保険適用と自由診療で大きな価格差があります。性器ヘルペスの治療のために病院を受診するときは、その病院では保険が適用されるのか、自由診療なのかを事前に調べておくとよいでしょう。

再発抑制療法の費用は年間7万円

性器ヘルペスには、「再発抑制療法」という治療法があります。治療薬を長期間飲み続けることで、再発を未然に防ぐ治療法です。現在の健康保険では、再発抑制療法を受けられる期間は1年間の制限が設けられています。再発抑制療法にかかる治療費は、1年間では約7万円にものぼります。患者の自己負担額を3割としても、1日約200円、1カ月で約6000円の治療費がかかるからです。

通販サイトを利用すれば費用を抑えられる

性器ヘルペスの治療薬は、個人輸入を請け負っている通販サイトでも購入できます。通販サイトでは、まとめ買いすることで、病院で処方してもらうよりも費用が安くなるのがメリットです。また、常備薬としてストックを用意しておけば、再発したときにすぐ治療を始められます。

性器ヘルペスの治療薬は目的によって用量と服用期間が変わる

性器ヘルペスの治療薬は3つの使い方があります。「初めて現れた症状を抑える場合」、「再発した症状を抑える場合」、「再発を防ぐ場合」で、治療薬の用量や服用期間といった使い方が異なります。

ここからは、性器ヘルペス治療薬の飲み方について解説します。

【飲み方1】初めて発症したときは薬を5日間から10日間飲む

性器ヘルペスを初めて発症し、症状として皮膚のただれや水ぶくれがあったときは、飲み薬を使ってウイルスの増殖を抑えます。

治療薬ごとに初発治療における飲み方が異なるので注意しましょう。

初発治療の治療薬ごとの服用例

バラシクロビル
  1. バラシクロビル錠500mgを1回1錠、1日2回飲む
  2. 続けて服用する日数は5日間から10日間
アシクロビル
  1. アシクロビル錠200mgを1回1錠、1日5回飲む
  2. 続けて服用する日数は5日間から10日間
ファムシクロビル
  1. ファムシクロビル錠250mgを1回1錠、1日3回飲む
  2. 続けて服用する日数は5日間から10日間

薬の用量や服用期間は症状の重さによって変わります。治療薬の服用を10日間続けても治癒しなければ、医師の判断で服用期間が延長される場合があります。

再発時の治療方法を医師に相談しよう

初発治療により性器ヘルペスの症状が治まったあとは、体内に潜伏した単純ヘルペスウイルスの対処法や治療法を把握しておきましょう。かかりつけの医師に相談した上で、事前に決定しておくと、速やかに対処できます。

【飲み方2】再発したらすぐに薬を飲む!症状は最短2日で改善

性器ヘルペスが再発したときの症状は、初発の症状に比べると軽い場合がほとんどです。そのため、治療薬を飲む期間は初発治療より短く、2日間から5日間ほどです。ただし、再発してから1日以内に服用しなければ効果は得られません。「日本性感染症学会誌」には以下のように記載されています。

発症してから1日以内に服用を開始しないと、有意な効果が得られない。また、再発の前駆症状 である局所の違和感や神経痛様の疼痛があるときに本剤を服用すると、病変の出現を予防できることがある。したがって、あらかじめ薬をわたしておいて、早めに服用させるが、6時間以降では抑制率が20%に低下する。

出典:日本性感染症学会誌 / 日本性感染症学会

再発の前兆が見られたらすぐに治療薬を使う

性器ヘルペスの再発には、特徴的な兆候があります。前ぶれとして身体に違和感を覚えることがほとんどです。特に女性の感染者の多くは、「なんとなく外陰部が変だな」という違和感やかゆみを覚えます。ほかにも神経の症状として、足がしびれるような痛みを感じて気がつくこともあります。このような兆候に気づいたらできるだけ早く治療薬を使いましょう。

常備薬があれば再発してもすぐに治療できる

性器ヘルペスが再発したときのために、治療薬を常備しておきましょう。そうすることで、再発の兆候があらわれたときに、すぐに対応できます。医師と相談し、常備薬をあらかじめ処方してもらうと良いでしょう。また、性器ヘルペスの治療薬は、通販でも入手できます。

【飲み方3】再発を繰り返す場合は薬の服用を1年間続ける

性器ヘルペスが頻繁に再発する場合は「再発抑制療法」を受けることを検討しましょう。再発抑制療法では、再発の兆候に関係なく治療薬を毎日飲み、ウイルスの増殖を事前に抑えることで、性器ヘルペスが再発しないようにします。

性器ヘルペスの再発抑制療法は、2006年9月から国内で健康保険の適用が認められました。1年間に6回以上の再発を繰り返す場合や、再発したときの症状が重い患者に適用されます。

再発抑制療法のメリット

  • 再発の頻度を少なくする
  • 再発から次の再発までの間隔を延長できる
  • 無症状による感染拡大を防ぐことができる

性器ヘルペスは、症状そのものよりも、再発やパートナーへの感染を心配することによる、精神的な負担が大きいと言われています。再発抑制療法の目的は、そうした精神的な負担を和らげることにあるのです。

性器ヘルペスは症状が出ていなくてもうつる

性器ヘルペスは無症状でも他者への感染のリスクがあります。

海外のデータによれば、家族やパートナーへうつしてしまった人のうち7割は、症状の自覚がありませんでした。

再発抑制療法を行うことで、自身の再発を抑え、ウイルスを周囲に感染させてしまうリスクも抑えられるのです。

再発抑制療法は治療期間・目標期間を明確に

再発抑制療法は特別な理由や事情がない限り、基本的には1年間の継続服用を目標に開始します。治療を1年間続けながら、再発の頻度の変化、再発時の症状、副作用の状況をみていきます。再発抑制療法を行っている最中に症状が出た場合、再発治療向けに服用量を切り替えるといった対応がおこなわれます。

再発抑制療法を受けることで、再発の頻度が下がる場合もあります。再発抑制療法を1年間受けた患者の4割は、治療期間中に一度も再発しなかったという試験データもあります。

頻繁に再発したり、症状が重かったりと、精神的に辛いと感じていたら、再発抑制療法を検討してみましょう。

毎日服用しても耐性がついたり重い副作用が起こったりしない

性器ヘルペスの治療薬は、飲み続けることで耐性がついて効かなくなることはありません。また、飲み続けることで、特別な副作用が起こることはありません。そのため、性器ヘルペスの薬は、服用期間が長くても安心して飲み続けられるのです。

再発抑制療法を受けていても性行為のときはコンドームを使うこと

再発抑制療法を行っている最中でも、性交を行う際は必ずコンドームを使用しましょう。海外で行われた試験によれば、バルトレックスを用いた再発抑制療法に加え、患者にコンドームを渡し続けたところ、患者からパートナーへの感染リスクが、大幅に低下したというデータも出ています。

参考サイト:Once-daily valacyclovir to reduce the risk of transmission of genital herpes. / PubMed - NCBI

上のグラフを見ると、有効成分が含まれていないプラセポ薬を投与された741人のうち16人、およそ2.2%が性器ヘルペスを発症しています。一方、バラシクロビルを与えられた743人のうち、発症したのは4人で、感染率は0.5%です。バラシクロビルによる再発抑制療法とコンドームを併用すれば、性器ヘルペスの感染リスクを有意に減少させられるのです。

性器ヘルペスの薬まとめ

性器ヘルペスは、薬を使って治療します。代表的な治療薬は錠剤の「バルトレックス」「ゾビラックス」、「ファムビル」です。塗り薬が補助的に使われるころもあります。

性器ヘルペスの治療費は、処方された薬の値段と診察費を合わせたものになります。性器ヘルペスの治療薬は1錠あたり、バルトレックスがおよそ375円、ゾビラックスが101円、ファムビルが394円です。診察費は病院によって変わります。初発症状と再発症状の治療の場合、およそ3000円が相場とされています。再発抑制療法を行う場合、1年でおよそ7万円の治療費が必要です。

個人輸入を扱っている通販サイトを使えば、より安く薬を入手できます。常備薬として多めに買ってストックしておけば、再発したときも安心です。

性器ヘルペスの治療薬は、治療の目的によって用量や飲み方が変わります。初めて発症したときは、5日から10日に渡って薬を飲みます。再発した症状を抑える場合、薬の服用期間は2日から5日です。再発を防ぐために薬を使う場合、基本的に一年間飲みつづけます。

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