
尖圭コンジローマの検査法は?何科で治療?
陰部や口内に特徴的なイボができてしまう病気、尖圭コンジローマ。見た目にもひどく、パートナーに感染させる恐れもある性病のため、なるべく早くに治したいですよね。ここでは、尖圭コンジローマはどうやって検査するの?病院の何科に行けばいい?というような疑問にお答えしていきます。
尖圭コンジローマはどうやって検査する?
実は、尖圭コンジローマには決められた検査方法がありません。というのも、尖圭コンジローマは一目見てすぐにそうだと分かる病気だからです。尖圭コンジローマのイボには、表面がざらついている、トサカのような形状である、といった特徴的な症状があります。そのほかのイボとは明らかに違うので、ウイルスの検査をしなくとも、触診や視診のみで判断できるのです。

触診や視診の際には、ズボンやパンツを脱いで内診台にのぼり、足を広げた状態で医師に患部を直接診てもらいます。女性の場合、こうした診察に抵抗を覚える人も多いのではないでしょうか。もし不安なら、女性医師が診察を担当してくれるクリニックを選ぶと良いでしょう。
検査を行うことはほとんど無いものの、ウイルスを確認するための検査は存在します。どのような検査があるのか見ておきましょう。
組織検査
尖圭コンジローマは基本的に触診や視診によって診断されますが、まれに組織検査を行うこともあります。組織検査は、イボがまだ小さく、尖圭コンジローマかどうかの判断が難しいときに行われます。組織検査を行うことで、フォアダイスや扁平コンジローマといった、よく似た病気との判別ができるのです。
組織検査の方法は、イボの一部を切り取り、そのイボを検査してウイルスに感染しているかを確かめる、というものです。検査時にはイボ周辺の皮膚に麻酔を打ちますので、基本的に痛みは感じません。検査結果はおよそ1週間から10日ほどで出ます。
遺伝子検査
組織検査でも尖圭コンジローマの診断が難しかった場合、遺伝子検査を行う場合もあります。しかし、ほとんどの場合は視診や組織検査で尖圭コンジローマであると確定するため、遺伝子検査まで行われることはほぼありません。遺伝子検査が行われるのは、「組織検査で陽性反応は出なかったけれど疑わしいイボがある」など、本当に尖圭コンジローマかどうか判断がつかない場合に限ります。
遺伝子検査は、採取したイボのなかにウイルスの遺伝子が潜んでいないかを確認します。検査法は組織検査と同じです。
血液検査は有効?
血液検査で尖圭コンジローマが発覚することはありません。なぜなら、血液中に尖圭コンジローマの抗体が発生することはないからです。そもそも、血液検査は血中に発生するウイルスの抗体を検出し、判定する検査です。しかし、尖圭コンジローマにかかっても、血中に抗体が発生することはほぼありません。それは、尖圭コンジローマのウイルスが皮膚の表面にしかいないからです。
したがって、尖圭コンジローマの疑いがある時に血液検査をしても、正しい結果は得られません。
症状が出る前に検査を受けることは可能?
尖圭コンジローマ感染の疑いのある人と性交してしまった場合、「もしかしたらうつったかも?」と心配になりますよね。その場合、なるべく早めに検査を受けたいものですが、まだイボも出ていない場合、診察は可能なのでしょうか。

残念ながら答えはノーです。症状があらわれていない場合、尖圭コンジローマに感染していると判断することはできません。上記したように、尖圭コンジローマの診断はほとんどが視診と触診によって行われます。ウイルスの有無を確認するにも、直接イボからウイルスを採取しなければ検査ができません。つまり、イボができるまでは、診断につながる材料がまったく無い状態なのです。
尖圭コンジローマは、感染後およそ3か月ほどでイボができ始めます。症状が出てすぐの頃から治療を始めれば、短期間で完治することも可能です。不安な行為のあと、気になる症状があらわれた場合には、すぐに病院へ行って治療しましょう。
病院の何科を受診すべき?
尖圭コンジローマ感染の疑いがある症状が出た場合は、以下の科目の受診をおすすめします。
男女共通 | 性病科・皮膚科 |
---|---|
男性 | 泌尿器科 |
女性 | 婦人科(産婦人科) |
基本的には性病科へかかるのが望ましいですが、「性病科へは行きづらい…」という場合には、男性なら泌尿器科、女性なら婦人科へかかるとよいでしょう。そのどちらに行くのにも抵抗がある場合は、皮膚科でも診察が可能です。自分の行きやすい科で受診してください。
誰にも知られず受診できる?
性病が原因で病院へ通っていることは、人にあまり知られたくありませんよね。

病院や診療所といった医療機関には守秘義務があるため、検査を受けに行ったことや検査の結果などが他人に知られることはありません。また、保険証を利用していると、定期的に健康保険の組合から患者本人宛に通院履歴が送付されます。とはいえ、通院履歴から受診の内容が家族や会社に漏れることもありません。
しかし、家族の扶養で健康保険に加入している場合は、その通院履歴が家族宛に送付されるため、注意が必要です。詳しい受診内容が記載されているわけではありませんが、病院の名前や受診科目などの情報は知られてしまいます。
「保険なし」ならこっそり治療できる
もしも通院していることを絶対に知られたくない場合は、健康保険を使わないことをおすすめします。健康保険を使わなければ、通院履歴が送付されることは絶対にありません。デメリットとしては、診察にかかった料金がすべて全額自己負担となってしまうことです。
治療費は高くなるものの、絶対にばれたくない場合は健康保険を使わないのが1番安全といえます。家族に知られず治療したいなら、健康保険なしで受診することも検討してみましょう。
尖圭コンジローマは自宅で検査できる?
「尖圭コンジローマへの感染が疑われるものの、病院で診察を受けるのは恥ずかしい……」という人も多いことでしょう。最近では、病院へ行かずに自宅で検査ができるキットも販売されています。検査結果をメールや電話で確認できるうえ、匿名で検査を受けることも可能です。

検査方法は簡単です。検査に申し込むと、自宅に検査キット(プラスチック容器と綿棒)が届きます。症状が出ている部位を綿棒で数回こすります。綿棒をプラスチック容器に入れれば検査は終了です。あとはキットを送付し、検査結果を待ちましょう。痛みを伴わない簡単な検査なので、誰でも気軽にできるというのがメリットです。
まとめ
尖圭コンジローマは主に視診・触診によって診断されます。まれに組織検査や遺伝子検査も行われますが、基本的な検査方法は視診です。
「尖圭コンジローマに感染したかも?」と思ったら、性病科を受診しましょう。もし行きづらい場合には、男性なら泌尿器科、女性なら婦人科へかかりましょう。
尖圭コンジローマは、症状が出てからでないと病院で診てもらうことはできません。もしも気になるイボを発見したら、すぐに病院へ行きましょう。病院へ行くのが恥ずかしいなら、自宅で簡単にできる検査キットもあります。症状が出たら放置せず、病院、または検査キットで確認しましょう。