
性病・性感染症とは?
なんとなく名前は聞いたことがある性病、性感染症。恥ずかしい病気というイメージがあるから相談できない、という人も多いのではないでしょうか?
今回は性病にかかってしまう原因、性病のなかでもかかる人が多い病気、性病にかかるとあらわれる症状をまとめてみていきましょう。
性病・性感染症とは?
性病(性感染症、STD、STI)は、すでに何らかのウイルスや細菌微生物を保有している患者と、性交や性的接触を行うことで感染、拡散する病気です。
主に、陰茎や腟、口、肛門を介した性交により感染します。しかし、性器を挿入しなければ感染しないというわけではありません。性交以外にもさまざまな感染経路があり、キスや体の接触、母乳の授乳、汚染された医療器具、出生前や分娩中の母子間で感染することもあります。
症状が現れる箇所も性器やその周辺にとどまらず、近年では、口やのど、目に感染するケースも少なくありません。
若年層に感染者が増加している
世界保健機構(WHO)の発表によると、米国の10代の若者のうち、4人に1人が毎年のように性感染症にかかっていると報告されています。また、25歳になるまでには半数が、何かしらの性感染症にかかっているという統計もあります。
日本でも性病の患者数は増加傾向にあります。特に性感染症に対する知識の乏しい若年層において、興味本位の性行為が性感染症の急増をもたらしています。
正しい知識を元に予防、治療することが大切
性病は治療措置を必要とする重い病気です。なかにはエイズウイルス(HIV)感染症のように、治療ができず命に関わる病気もあります。
性病・性感染症の治療ガイドから多くのことを学び、正しい治療や予防ができるようになりましょう。
性病・性感染症の種類
日本では、性感染症やその他の感染症の発生や拡大、変化に対応するため、1999年に感染症法が施行されました。感染症法では、国が患者数や発生動向の調査を常時行っている性感染症(五類感染症)と、それ以外の性感染症が記載されています。
感染症法によって規定されている性病・性感染症
その他の性病・性感染症
性感染症の主な症状は?
性病が原因で重い病気を発症する大きな要因が、潜伏期間の長さです。性病・性感染症のなかには、体の異変や症状を感じるまでに時間がかかったり、症状をまったく感じない病気があります。
梅毒や尖圭コンジローマ、HIV感染症などは、1カ月から1年以上経過してやっと症状があらわれることがあるので怖い病気です。
反対に潜伏期間が短いものでは、淋菌感染症や性器カンジダ症、性器ヘルペスがあり、これらは、2日から3日前後で症状現れます。
潜伏期間の長さによらず、何らかの性行為などを行った後、次に紹介する症状が感じられる場合は注意が必要です。
男性特有の症状
男性が主に感染するところは尿道です。おしっこをする際に痛みがあったり、尿ではなく膿(うみ)が出ることもあります。膿は液状のものからドロドロとした固い粘りのあるものまで、症状によって異なります。
陰茎周辺に痛みやかゆみがある
- おしっこをする時に痛みがある、尿道からの膿(うみ)が出る
- 尿道がかゆい、不快感がある
- 睾丸(こうがん)が腫れる、痛みがある
- 亀頭がかゆい、ただれる
女性特有の症状
女性が主に感染するところは外陰部と膣内です。感染者数が最も多いクラミジアにかかった場合、半数以上の女性患者は症状をまったく感じないと言われています。感染の放置が不妊に繋がる可能性もあるため注意が必要です。
おりものが変化する
- おりものが増える、下腹部が痛む
- あわ状で強い悪臭のするおりものが出る
- ヨーグルト状のおりものが出る
外陰部周辺に痛みやかゆみがある
- 外陰部の周辺が痛い、かゆい
- おしっこをする時に痛みがある
- 性交時に痛みがある
男女共通の症状
菌の種類によっては性器の周り以外に症状が出ることがあります。血液のなかに入ることで全身に広がる梅毒などに多くみられる症状です。
性器周辺に腫れやできもの、潰瘍がある
- 陰毛周辺の激しいかゆみがある、下着に黒色点状のしみがつく
- 太もも付け根のリンパ節に腫れがある
- 乳頭状のイボがある、水ぶくれがある、コブがある
全身の皮膚の症状がある
- 性器、肛門、手や指、口唇などにしこりや腫れものができる
- 全身にピンク色の円形のあざができる、赤茶色の盛り上がったブツブツができる
- 激しいかゆみをともなう赤いブツブツができる、ミミズ腫れのような盛り上がりができる
体全体に症状がある
- のどが腫れる、痛む、熱が出る
- 2週間から4週間後に発熱、咽頭炎、倦怠感、筋肉痛といったインフルエンザのような症状が出る
- 1カ月以上続く発熱、しつこい下痢、寝汗、リンパ節の腫れ、体重が減少する
- 黄疸の症状(身体や白目が黄色っぽくなる)がある
- 全身のだるさ、食欲がわかない、吐気がする、濃い色の尿が出る
どのように性病を治療するの?
多くの性病、性感染症は、抗生物質を投与することで効果的に治療できます。
もしあなたが性病の治療を受けているなら、症状が完全に治るまでは性行為を慎む必要があります。
すでにパートナーにも感染している可能性を考え、できる限りパートナーといっしょに検査と治療を受けることをおすすめします。