
帯状疱疹(たいじょう・ほうしん)
性病の説明で使われる用語「帯状疱疹」についてくわしく解説します。
帯状疱疹ってなに?
帯状疱疹とは、簡単にいうと痛みを伴う皮膚病の一種です。自覚症状は、ピリピリとした皮膚の痛みからはじまることが多いといわれています。その後、痛みを感じた部分に赤いブツブツとした発疹が目立ってきます。発疹が小さな水ぶくれに変化して帯状に広がっていくことから、帯状疱疹という名称がつけられています。
初期症状での発見が難しい帯状疱疹
帯状疱疹は、胸やお腹、背中などの胴体にかけて多くあらわれます。まれに顔や手足にあらわれることもあります。
症状の特徴として、湿疹があらわれるのは体の左右どちらか片方だけです。また、1度に2箇所以上の部位にはあらわれないという特徴もあります。初期段階では虫刺されと勘違いしやすいため発見は難しいのですが、この2つの特徴が顕著に出ている状態だと、比較的スムーズな発見につながることが多いとされています。
痛みからはじまる帯状疱疹の初期症状
帯状疱疹の初期症状はチクチクする痛みからはじまります。チクチクと感じた皮膚のあたりに発疹が帯状にあらわれます。発疹は小さな水ぶくれとなります。患部は体の左右どちらかにだけあらわれ、1度に複数の箇所にあらわれることはありません。
帯状疱疹は子供への感染に注意が必要
一般的な成人は水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を持っている場合が多く、感染することはありません。しかし水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫のない子供には感染のおそれがあります。帯状疱疹は空気感染をするため、他の人に感染しないように注意が必要です。
放っておくと厄介な帯状疱疹後の神経痛
帯状疱疹の治療が遅れて症状が長引いた場合、皮膚表面の症状が治った後に神経痛の症状が起こる(帯状疱疹後神経痛)ことがあります。帯状疱疹後の神経痛は、場合によっては数年から一生続く厄介な症状です。症状は電気が走るような激痛といわれています。帯状疱疹の後でも神経痛にならないためには、帯状疱疹を放置せず、すぐにかかりつけの医師に相談してください。早期発見、早期治療が大切です。
免疫力低下で潜伏ウイルスが帯状疱疹を引き起こす

帯状疱疹が引き起こされる原因としては、水疱瘡を引き起こすウイルスと同様に、水痘や帯状疱疹ウイルスの存在が挙げられます。このようなウイルスは、たとえば水疱瘡の場合、幼い頃にかかったことがあるという人は多いかと思われます。水疱瘡の多くは、発症後数日すれば完治していきます。しかし完治したからといって、ウイルスが完全に体の中から消滅したのかというと、そんなことはありません。
ウイルスは体のなかでも、神経細胞が集まった箇所に潜伏していることが多く、潜伏期間は長いときには何十年という期間に及ぶこともあります。潜伏しているウイルスは、その人の体力が著しく低下したり、免疫力が弱ったりすると、途端に勢力を増して再発します。神経の細胞が集まっている場所から出てきたウイルスが活動を開始する。その結果としてあらわれるのが帯状疱疹です。
帯状疱疹は抗ウイルス薬で治療する
帯状疱疹は発疹がまず水ぶくれになり、続いてかさぶたになってから治癒します。初期症状のチクチクした痛みを感じてから、約3週間から1カ月で治ります。
帯状疱疹の治療に使われる薬の種類は以下の通りです。
- 帯状疱疹のヘルペスウイルスには抗ウイルス薬
- 神経痛の痛みには消炎鎮痛薬
- 発疹が水ぶくれになったときは感染を防ぐ抗菌薬
帯状疱疹のまとめ
現代社会はストレス社会ともいわれており、老若男女問わず、さまざまなストレスにさらされることが多くなっています。そしてストレスは、その人の体力や免疫力を低下させる要因のひとつです。また仕事や家事に忙しく休養が満足にとれないという人、夜遅くまでスマホやパソコンに夢中になっている人も増加してきており、これらも体力や免疫力を損ねる原因となっています。
帯状疱疹の患者の年齢層は、昔は年齢を重ねた人が多かったのですが、現在では20代や30代といった若年層の患者も多くなってきています。ですから帯状疱疹を予防するためには、ストレスとは距離を置き、生活リズムを整え、体力や免疫力を維持することが必要です。