公開日
2017/07/04
更新日
読了時間の目安
2分00秒で読めます

「トリコモナスに感染しないためにはどうすればいいの?」「コンドームを使っていれば大丈夫?」など、膣トリコモナス症の予防法について、疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。膣トリコモナス症の感染を防ぐためには、感染率の高い性交時に正しく予防することが大切です。性行為時の予防法から、日常生活で行う予防法まで、詳しく紹介しましょう。

感染率の高い性行為は、きちんと予防を!

膣トリコモナス症に感染しないためには、性交時の予防がもっとも重要になります。なぜなら、膣トリコモナス症は、主に性行為で感染する「性感染症」だからです。

性行為に合わせて行う膣トリコモナス症の予防法は、他の性感染症の予防法と同様に、以下の3つがあげられます。

  1. コンドームを使用する
  2. セックスパートナーをひとりに限定する
  3. 生理時のセックスを避ける

これらの予防法は感染を100%防げるわけではありませんが、感染率を大幅に下げられます。それぞれ、性交時の予防法を詳しく紹介しましょう。

コンドームを使用する

性病の感染率を大幅に下げるコンドーム

性感染症の予防法として、厚生労働省も積極的に利用を推奨しているものがコンドームです。コンドームを使用すれば、性器どうしの直接的な接触が避けられます。そのため、相手の精液や膣分泌液にトリコモナス原虫が含まれていたとしても、体内に侵入するリスクが減るのです。

多くの人が、「セックスで挿入しなければ膣トリコモナス症はうつらない」と思っているのではないでしょうか。実は、オーラルセックス(口膣性交)や素股など、挿入を伴わない行為でも膣トリコモナス症に感染します。つまり、相手の性器に触れた手で自分の性器を触っただけでも、感染してしまう可能性があるのです。そのため、コンドームは挿入時だけでなく、性行為の初めから着用しなければ意味がありません。

参考:Trichomoniasis / STD Facts

セックスパートナーをひとりに限定する

性病の感染率を大幅に下げるコンドーム

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、「不特定多数のセックスパートナーがいる人は性感染症にかかるリスクが高くなる」という調査結果を発表しています。膣トリコモナス症への感染率を少しでも下げるためには、セックスパートナーをひとりに絞ることが大切です。

セックスパートナーをひとりに絞ったとしても、パートナーに複数の相手がいたら、意味がありません。「パートナーも自分とだけセックスをする」といった互いの協力が、感染リスクを下げることにつながります。

また、不特定多数のセックスパートナーをもつことで、感染するリスクだけでなく、再発するリスクも高まります。感染が疑われる期間に数人とセックスしていた場合、誰から感染したのか特定できません。膣トリコモナス症が完治したとしても、感染源が分からなければ、再び感染してしまう可能性があります。感染源を明確にするためにも、セックスパートナーはひとりに絞りましょう。

参考:HIV/AIDS & STDs / STD Facts

生理時のセックスを避ける

生理中の膣は中性のためトリコモナス原虫にとって住みやすい環境

膣トリコモナス症に感染しないためには、生理中のセックスを避けることが大切です。なぜなら、生理中の膣内は、トリコモナス原虫にとって住みやすい環境だからです。

膣内は通常、pH3.5から4.5の酸性で保たれています。酸性の状態では、トリコモナス原虫の働きが弱くなるため、体内へ侵入しにくくなります。それに対し、生理中の膣内はpH5.0から7.0の中性に変化します。中性こそ、トリコモナス原虫がもっとも活発に動きはじめる状態です。

生理中は、膣内が中性へと変化するため、膣トリコモナス症にもっとも感染しやすい時期だといえるのです。

参考:トリコモナス感染症について / 横浜市衛生研究所

日常生活でも感染する!?日ごろ気をつける予防法とは?

膣トリコモナス症の患者がいたら注意が必要です

膣トリコモナス症は性行為が主な感染の原因ですが、まれに日常生活でも感染します。家族やパートナーの中に膣トリコモナス症の患者がいたら、とくに注意しなければなりません。日常生活の中で、膣トリコモナス症の感染を防ぐためには、以下の3つを心がけましょう。

  1. タオルを共有しない
  2. トイレの便器は除菌してから使用する
  3. 一緒にお風呂に入らない

それぞれの詳しい予防法は、以下のページを参考にしてください。

関連ページ:トリコモナスへの感染は日常生活のなかにも潜んでいる

まとめ

膣トリコモナス症の感染を防ぐポイントを、性交時と日常生活に分けてまとめました。性行為の際はコンドームを使うなど、安全なセックスを心がけることが大切です。

性交時の予防法

  1. コンドームを使用する
  2. セックスパートナーをひとりに限定する
  3. 生理中のセックスを避ける

日常生活での予防法

  1. タオルを共有しない
  2. トイレの便器は除菌してから使用する
  3. 一緒にお風呂に入らない

日ごろから、これらの予防法を行うことによって、膣トリコモナス症の初感染や再感染を防ぎましょう。