
バルトレックスの副作用と注意点について解説!アルコールとの飲み合わせはNG!
- ざっくりまとめると
- バルトレックスの主な副作用は頭痛や吐き気。ごくまれに重い症状がでることも。
- 腎機能が低下している人は副作用が出やすい!妊婦や乳幼児は慎重な検討が必要。
- アルコールや特定の薬と一緒に飲むと副作用が起こりやすくなるので注意!
バルトレックスは、性器ヘルペスの再発抑制に有効な一方、副作用が起こる可能性があります。副作用は、アルコールや特定の薬との飲み合わせによって起こる場合もあります。また、体質によってはバルトレックスを使えない場合もあるので、注意しなければいけません。
この記事では、バルトレックスの副作用の具体的な症状や、注意が必要な飲み合わせ、服用できない条件について解説します。
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バルトレックスにはどんな副作用がある?

どのような種類の医薬品でも、副作用が出る可能性があります。バルトレックスの副作用で起こる症状について、具体的にみていきましょう。
バルトレックスの主な副作用
バルトレックスの主な副作用として、頭痛や吐き気、下痢、腹痛が挙げられます。これらの副作用がおこる確率は、およそ30%です。バルトレックスの添付文書では、副作用の頻度に関して、以下のように記載されています。
性器ヘルペスの再発抑制を目的とした海外臨床試験において、総症例1646例中、481例(29.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告されている。その主なものは、頭痛158例(9.6%)、嘔気106例(6.4%)、下痢62例(3.8%)、腹痛43例(2.6%)であった。(承認時)
症状がひどい場合は、無理に服用を続けず、医師に相談しましょう。
まれに起こる重大な副作用
バルトレックスは、ごくまれに重大な副作用を引き起こす場合があります。中には命に関わるものもあるので、バルトレックスを使う人は、あらかじめ把握しておくとよいでしょう。以下の表は、バルトレックスの重大な副作用をまとめたものです。
頻度不明 | 1%未満 |
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アナフィラキシーショックとは、医薬品を服用したとき、ごくまれに起こる過剰なアレルギー反応のことです。主な症状として、じんましんや皮膚のかゆみ、腹痛、吐き気、息苦さがあげられます。また、血圧が急激に下がることで、失神や呼吸困難が起こり、最悪の場合、死に至る危険性もあるのです。
バルトレックスを使って重い副作用が起こることはまれなので、過度に心配する必要はありません。もし、これらの副作用があらわれたら、すぐに薬の服用を中止し、病院で処置を受けましょう。
その他の副作用
バルトレックスは、上述のもの以外にも様々な副作用が報告されています。バルトレックスの添付文書で「その他の副作用」として記載されているものを紹介します。
5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 |
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バルトレックスには、様々な副作用が起こるリスクがありますが、程度が軽ければ過度に心配する必要はありません。あまりにひどい場合は、バルトレックスの服用を続けるかどうか、医師に相談しましょう。
多く飲みすぎたときの副作用
バルトレックスは、1回に飲む回数、1日に飲む回数が決められています 。それより多く飲んでしまうと、作用が強くなりすぎて、重い副作用が起こる恐れがあるのです。バルトレックスの資料には以下のように記載されています。
本剤の過量投与により、急性腎不全、精神神経症状(錯乱、幻覚、激越、意識低下、昏睡)が報告されており、嘔気・嘔吐が発現する可能性も考えられる。なお、これら報告例には、適切な減量投与が行われなかったために過量投与の状態となった腎障害患者又は高齢者における例が多く含まれていた。
バルトレックスを使うときは、決められた用法、用量を守りましょう。

バルトレックスを飲めない人・注意すべき人

ここまでは、バルトレックスの副作用を紹介してきました。ここからは、バルトレックスを飲めない人、慎重投与しなければならない人について説明します。
過去にアレルギーがでた人は服用できない
過去にバルトレックスを使用して、アレルギー症状が出た人は、バルトレックスを使うことができません。人によっては、身体の免疫機能が、薬の成分に過剰に反応してしまい、かゆみや発疹といった症状が出てしまう場合があります。
バルトレックスを使ってアレルギー症状が出た人は、そのことを医師に伝え、別の薬を検討してもらいましょう。
腎臓が弱い人や妊婦、乳幼児は注意が必要
腎機能障害を持つ人や高齢者、妊婦や乳幼児は、バルトレックスの使用は慎重に検討されます。
どうして注意が必要なのか、詳しく見ていきましょう。
腎臓が弱いと副作用のリスクが高まる
バルトレックスの有効成分であるバラシクロビルは、肝臓で代謝されたあと、腎臓で処理され、尿とともに排出されます。しかし、腎機能が低下していると、バラシクロビルの排出に時間がかかってしまいます。排出が遅れると、バラシクロビルが必要以上に作用し、副作用が起こりやすくなったり、重い症状がでるリスクが高まったりするのです。
したがって、腎機能が低下している人がバルトレックスをつかう場合、用量や服用間隔を調整し、慎重に使う必要があります。
妊婦・授乳婦・小児は安全性がはっきりしていない
バルトレックスは、妊婦や授乳婦、乳幼児を対象とした臨床試験がおこなわれていません。そのため、安全性が確立していないのです。
製薬会社である、グラクソ・スミスクライン株式会社が作成した資料には、以下のように記載されています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合 にのみ投与すること。[活性代謝物のバラシクロビルにおいて、動物実験(ラット)の妊娠 10 日目に、 母動物に腎障害のあらわれる大量(200mg/kg/day 以上)を皮下投与した実験では、胎児に頭部及び 尾の異常が認められたと報告されている 69)。]
授乳中の女性の場合、母乳にバルトレックスの成分が移行したという報告があります。子供でも体重が40kg以上であれば、大人と同じ用量で服用できます。

他の薬との飲み合わせに注意

バルトレックスは、特定の薬と一緒に飲むと、思わぬ副作用が起こる可能性があるので、注意しなければいけません。
バルトレックスとの併用に注意しなくてはいけない薬は、以下の4種が挙げられます。
薬剤名 | 主な効果・効能 |
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プロベネシド | 痛風の治療、特定の薬の血中濃度維持 |
シメチジン | 胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの治療 |
ミコフェノール酸モフェチル | 臓器移植後の拒絶反応の抑制 |
テオフィリン | 気管支喘息、慢性気管支炎などの治療 |
これらの薬とバルトレックスを併用すると、重い副作用が起こる恐れがあります。
プロベネシドとシメチジン
プロベネシドとシメチジンは、バラシクロビルの排出を抑制します。それによって、バラシクロビルの血中濃度が必要以上に高くなります。血中濃度が高いと、作用が強くなる分、副作用のリスクも上がってしまうのです。プロベネシドはシメチジンと比べると、よりバラシクロビルの排泄を抑制しやすいので、特に注意が必要です。
ミコフェノール酸モフェチル
ミコフェノール酸モフェチルとバラシクロビルは、互いに排出を抑制し、両方の血中濃度が上がります。そのため、両方の薬の副作用が強く出やすくなってしまうのです。
テオフィリン
テオフィリンは、バラシクロビルによって代謝が抑制されます。そのため、テオフィリンの血中濃度が上がりすぎてしまい、中毒症状が起こる恐れがあります。
その他の抗生物質や鎮痛剤で、併用してはいけないものは特にありません。ただし、人によって体質に差があるので、ほかの薬と併用するときは、必ず医師と相談しましょう。
お酒と一緒に飲むのはNG!

バルトレックスと一緒にお酒を飲むと、副作用が起こりやすくなるので注意が必要です。アルコールとバルトレックスは、いずれも肝臓で代謝され、体外に排出されます。アルコールとバルトレックスを一緒に飲むと、薬の代謝に必要な酵素が不足してしまうのです。
酵素がアルコールの代謝に使われると、バルトレックスの成分の代謝が十分に行なわれず、血中濃度が通常よりも高くなります。その結果、副作用が起こる可能性が高まるのです。
また、普段からアルコールの摂取量が多い人は、薬が代謝されすぎて、十分な効果が出なくなってしまう可能性があります。
まとめ
バルトレックスは安全性の高い薬ですが、頭痛や吐き気などの副作用が起こる場合があります。ごくまれに、アナフィラキシーショックなど、重大な副作用が起こる可能性もあります。バルトレックスを飲んで、身体に大きな異変を感じたら、すぐに病院で処置を受けましょう。
腎臓の機能が弱い人は、成分を十分に排出されず、副作用が起こりやすいので注意しましょう。妊婦や授乳婦、乳幼児は、バルトレックスを使ったときの安全性が確立されていないため、使用は慎重に検討されます。
特定の薬やアルコールと一緒に飲むと、思わぬ副作用が起こる恐れがあります。バルトレックスを服用する際は、自分の身体の状態や、飲んでいる薬剤を医師にきちんと伝えることが大切です。用法と用量を守ってバルトレックスを服用し、副作用が出てしまわないように気をつけましょう。